2015年3月9日月曜日

今は昔

法科大学院が始まる前、ある大学の法学部で教えていた経験がある。

法科大学院の募集が始まった最初の年、私が教えていた大学の先生たちが、「うちみたいな大学の法科大学院に、あんなに優秀な学生がたくさん応募してくるなんて、本当に夢のようですね。」「そうですね。選抜するのが大変ですね。」と意気揚々と話していたのを今頃になって思い出す。記憶は定かではないが、彼らは、募集人数の10倍くらいの学生が応募してきていると話していたように思う。

当時から、法科大学院によって法曹界はとんでもないことになると確信し、マチ弁から足を洗おうと思っていた私は、このような会話を聞いて、「自分の予想が外れているのか?」と迷いを感じたが、最終的にはプラクティス分野を変更するための計画を実行した。

あの教授たちは今頃何をしていて、現在の法科大学院制度についてどう思っているのだろうか。彼らの大学の法科大学院は学生の募集停止に踏み切っている。