アメリカでは、既に、人工知能が弁護士法律事務所に就職する日が来たようだ。
アメリカの法律関係の有名なブログには、大手事務所が人工知能弁護士を雇用したと記載されている。破産法に関するプラクティスをするという専門分野まで決まっているらしい。
http://abovethelaw.com/2016/05/bakerhostetler-hires-a-i-lawyer-ushers-in-the-legal-apocalypse/
ROSSという人工知能弁護士で、IBMのワトソンという人工知能をもとにしているようだ。
http://www.rossintelligence.com/
最初のページにはSuper intelligent attorneyと記載されている。
アメリカでは、リーガルリサーチで何時間もアソシエイトやパラリーガルが時間をつけてクライアントに多額の弁護士費用を請求しているが、この人工知能を使ってリーガルリサーチをした場合、法律事務所はどの程度の費用を請求するつもりなんだろうか。
ブログによると若手弁護士がリーガルリサーチをして判例を分析してリーガルメモを作成する時間として15時間かかるのをROSSはあっという間にこなすと予測されている。
現在は、この人工知能が非常に高いことが予想されるので、人工知能を使ったサーチでも多額の費用を請求する根拠もあるだろうが、何年か経って、人工知能を採用する費用が安くなったら、どうなるのだろうか。企業が一人の社内弁護士を雇う代わりに人工知能を採用するという程度の値段になれば、企業は、人工知能を雇うかもしれない。そうすれば、法律事務所は人員削減に踏み切らなければならないだろう。
弁護士の将来はますます不透明になっている。弁護士だけではない、他にもリサーチを商売にしている業種は多数あり、同じような人工知能が既に開発されている、または将来開発されるであろう。
これからの若者は大変である。特に、年金のもらえる年齢が70歳になるのであれば、50年後を見据えて職業を選択しなければならない。将来を予想するのは非常に難しい。
間違っても、弁護士、特に日本の弁護士を選択するのは絶対にやめるべきだろう。初期費用がかかり過ぎるにもかかわらず、将来が全く見えない。また、初期費用が高いと、途中で状況が変わったときや、間違った選択だったと気づいたときに、他の選択肢を考えてみようという柔軟性が極端になくなる。
貴重な記事をありがとうございます。
返信削除アメリカのグローバル企業は、インハウスなどをダース単位で雇っています。顧問事務所に払うコストも嵩む(ご承知置きの通り、アメリカでは弁護士事務所別の売上ランキングもあるほどです)。グローバル企業としては、コスト面ではむしろ早急にAI導入をしたいほどでしょう。ただし、弁護士業界からの反対が強いので、まずは法律事務所に納入し、次に企業、という戦略と見受けられます。
4大会計事務所のKPMGでは、弁護士事務所に先駆けてAIを導入しました。オックスフォード大の研究によっても、CPAはもはや過去の業種となりつつあるようです。
http://www.npr.org/sections/money/2015/05/21/408234543/will-your-job-be-done-by-a-machine