3年位前、資金繰りの問題で解散した大手事務所のエクイティーパートナーであった弁護士と話をした。
クライアントの多い稼ぎの良い弁護士がどんどん移籍したため事務所のコストを支払い続けることが出来なくなったのである。
エクイティーパートナーとは、事務所のエクイティーを持っているパートナーのことで、事務所の経費を全部支払った後の残りの利益の分配を受ける権利を持っている。多くの事務所はエクイティーパートナーになる条件として巨額のお金を支払うことを求め、その支払いのために銀行から借金をする弁護士が多い。事務所がうまくいっている時の利益は多いが、事務所の利益がない場合には、全く利益を受け取ることが出来ないことになっている。事務所が破産しても、拠出した金は戻ってこない。つまり、拠出金のための借金はそのまま残ることになる。
「もう、随分経ったのに、未だにエクイティーパートナーだったからと言って訴えられる。事務所から得た利益を全部返して事務所の負債を返済しろと言ってくる。もう、エクイティーパートナーにはなりたくない」と話していた。
エクイティーパートナーだった頃は収入も多かったのではないかと聞くと、具体的な額には言及しなかったが、事務所の経営がうまくいっていた頃はかなりの収入を得ていたようだ。
事務所の稼ぎ頭の部署が部署ごと他の大手事務所に移籍してしまってから、事務所の経営がおかしくなったようだが、おかしくなり始めて直ぐに事務所から移籍してしまったエクイティーパートナーは巨額の収入だけ得て、訴えられる等の不利益を受けることなく逃げ切ったようだ。
その、元エクイティーパートナーが、最後に自分の娘の話をしていたのが印象的だった。
「娘に、『ロースクールには絶対に行くな。弁護士には絶対なるな』といったのだが、娘はロースクールに入学してしまった。有名なロースクールを卒業しても70パーセントしか就職が出来ない時代だ。それなのに、娘はロースクールの一学期だけで3万ドル(1ドル100円で300万円)もの借金を負ってしまった。大学卒業直後に何の専門もない学生がロースクールに行っても、簡単に就職できないだろう。それでもたくさんの学生がロースクールに行く。現状はある程度分かっていても、『自分だけは違う。自分は他より頭が良い。稼ぎの良い仕事に就ける。』って思うのだろうけれども、そんなことはないんだよ。」
ロースクールを卒業するには、6学期あるので、卒業時点での借金の予想額は単純に計算すると300万円×6で1800万円となる。
2014年5月26日月曜日
2014年5月19日月曜日
クライアントを訴える法律事務所?
Kelly Drye & Warren, LLPがクライアントであったOrbusneichに対して14,560,000ドル(1ドル100円で計算すると14億円を超える)弁護士費用を支払えという訴えを起こしているようだ。訴訟に至った内容について説明はしないが、支払いを拒否するクライアントの主張も十分理解できる事案である。
http://patentlyo.com/hricik/2014/05/kelley-collecting-million.html
確かに法律事務所自体が直接クライアントを訴えるのはそれほど多いことではない。
ただ、6ヶ月以上支払いがなかった弁護士報酬債権を債権回収会社に売却するのは一般的である。その場合、債権回収会社が支払いを求めてクライアントに対し、訴訟を起こすことは十分ありうる。
大きな事務所になればなるほど、債権回収会社に売却してしまいがちである。弁護士数が100人に満たないような小規模の事務所であれば、僅か年間3000万円の仕事を依頼するクライアントでも大事なクライアントであるので、遅れながらも弁護士報酬を支払ってくれそうで今後も継続してクライアントとして仕事を依頼してくれる見込みがある場合には、訴訟とか債権回収会社に売却するようなことはなるべく避けようとするかもしれない。しかし、弁護士が1000人規模の法律事務所から見れば、たとえ年間1億円の弁護士報酬を発生させる仕事を依頼するクライアントだったとしても全体の収入から見れば、1パーセントにも満たないのである。ビジネスライクに債権処理をすることになる。そこで、そのクライアントとの関係によっては、容易に債権回収会社に弁護士報酬債権を売却してしまう可能性が高くなる。
このままの司法改革を進め、さらに予備試験に受験制限をつければ、日本の法律事務所が衰退するかも知れないという投稿を以前にしているが、もし、外資系法律事務所が日本法に関する企業法務を担当するようになった場合、支払いを遅滞しているクライアントの弁護士報酬債権が債権回収会社に売却され、債権回収会社がクライアントに対して訴訟提起するのが一般的な時代になるかもしれない。
2014年5月16日金曜日
儲かる仕事は外資系法律事務所の手に?
このブログを書き始めてからずっと気になっていたことが着々と現実になっているのではないか。
気になっていることとは、海外とのかかわりのある日本の企業は、外資系法律事務所に仕事を依頼せざるを得なくなり、最終的に日本の事務所は小規模な企業か個人に関する法律問題というあまり儲からない数少ないパイを皆で奪い合う時代がくるのではないかということである。
上記が現実となるために必要なことは主に3つだろう。まずは、優秀な人が日本の弁護士資格取得を目指さなって、日本の弁護士はアメリカの弁護士より優秀であるという認識がなくなることである。2つ目は外国法事務弁護士や外資系法律事務所が日本でリーガルサービスを提供しやすいように日本の法制度が改正されることである。3つ目は日本企業の海外での活動が増えることである。
最近、全ての条件が揃い始めている。
1つ目の条件に関し、司法改革の失敗から優秀な人材が法曹を目指さなくなってきたことが指摘され始めている。加えて、優秀層が挑戦する予備試験に受験制限を求めようという動きまであるようだ。
http://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2014/pdf/140509b.pdf
これによって、金のない優秀な人のみならず、金持ちの家に育った優秀層も考え方を変えるかもしれない。日本の法律資格を取っても金があって能力がないとのレッテルを貼られる可能性があるので日本の法曹を目指さなくなるかもしれない。
1つ目の条件を満たしたとしても、海外の弁護士資格取得者に対する日本での活動範囲の制限があれば日本の法律事務所は守られ続けるだろう。しかし、その制限が徐々になくなっているようだ。この動きはさらに加速するだろう。
http://www.bengo4.com/topics/1421/
3つ目の条件に関してであるが、人口減少によるマーケットの縮小やグローバル化などにより、外を向いている日本企業が非常に増えてきた。日本の中だけで解決できない法律問題が一気に増えてきている。
日本の大手事務所も必死になって海外オフィスを作っているが、少なくなってきた国内向けの仕事だけでは、巨大化した事務所維持は大変なのかもしれない。
優秀な人材とクライアントが外資系法律事務所に吸い上げられてしまうと、日本の事務所はひとたまりもない。資金力のある外資系事務所は高い初任給で日本の資格を持った優秀層を囲い込む力がある。既に、日本の大手事務所の中には、1000万円を下回る初任給しか出せなくなっているところも出ているようだ。600万円を法科大学院の学費として費やし、卒業後最短でも司法修習が終わるまでの1年9ヶ月くらいの生活費を借金するか親から支援を受けるにより何とか切り抜けてでも弁護士になろうという思わせるためには1000万円以上の初任給は必要であろう。以前と比較すればかなり円安になった現在、外資系法律事務所にとって日本円で1000万円を超える初任給を支払うことは容易である。
海外関連の法律問題がある企業(クライアント)も徐々に外資系法律事務所に吸い上げられているようだ。海外に関する案件はどの国に関しても英語で行われることが多い。わずか2年程度を海外で過ごした日本人が常日英語で仕事をしている外資系事務所の弁護士に勝る仕事をするためにはよほど優秀でなければならない。しかし、優秀層は着実に減ってきている。日本の法律事務所が単に外国の事務所とクライアントとの仲介をするだけであれば、直接外資系法律事務所に依頼した方が良いと思うクライアントが増えてもおかしくないだろう。日本の法律事務に関しても外資系事務所に吸い上げられてしまった数少ない優秀な日本の弁護士に依頼するのがよいということになるかもしれない。
今まで、国内案件が主であった企業は国内の事務所を主の事務所として、海外案件があるときはその事務所を通じて海外の事務所を使ったかも知れない。しかし、海外案件で弁護士を使うことの方が国内案件で弁護士を使うことより多い企業であれば、主の事務所を外資系法律事務所として、国内案件についても同じ外資系事務所の日本弁護士を使うことになるだろう。
このようにして、徐々に、外資系事務所との結びつきがない日本の法律事務所は企業にとって使い勝手が悪いとみなされるようになってきているのではないか。
既に外資系事務所と運命を共にするとの決定をした日本の比較的大きな事務所もある。
http://www.bingham.com/Offices/Tokyo
http://www.bakermckenzie.co.jp/e/
http://www.mofo.jp/
日本にオフィスを置いている外資系法律事務所は数え切れないほどある(思いついたものをいくつかあげておく)。
http://www.linklaters.com/Locations/Pages/JapanTR.aspx
http://www.ommtokyo.jp/
http://www.whitecase.com/ja-JP/Locations/OfficeDetail.aspx?office=42
http://www.dlapiper.com/ja/japan/insights/publications/2012/07/dla-piper-in-tokyo/
http://www.morganlewis.jp/index.cfm/fuseaction/content.page/nodeID/0cd6afdf-6aa2-46d2-96d0-df6aee7e5abb/
http://japan.squiresanders.com/ja/lmshome.aspx
http://www.hoganlovells.jp/ja/offices/Office.aspx?office=12
http://www.lw.com/offices/tokyo
http://www.foley.com/ll-ja-jp/japan/
http://www.paulhastings.com/ja/about-us
http://www.cliffordchance.jp/
断っておくが、これらの外資系大手事務所は有名ロースクールを優秀な成績で卒業した者しか雇わない。
予備試験の受験制限ができれば、旧司法試験組みがいなくなる頃には、企業法務と言えばたとえ日本法に関する企業法務であっても外資系事務所に依頼するという時代が来るかもしれない。予備試験の受験制限を唱えている財界人は、そこまで考えているのだろうか。
気になっていることとは、海外とのかかわりのある日本の企業は、外資系法律事務所に仕事を依頼せざるを得なくなり、最終的に日本の事務所は小規模な企業か個人に関する法律問題というあまり儲からない数少ないパイを皆で奪い合う時代がくるのではないかということである。
上記が現実となるために必要なことは主に3つだろう。まずは、優秀な人が日本の弁護士資格取得を目指さなって、日本の弁護士はアメリカの弁護士より優秀であるという認識がなくなることである。2つ目は外国法事務弁護士や外資系法律事務所が日本でリーガルサービスを提供しやすいように日本の法制度が改正されることである。3つ目は日本企業の海外での活動が増えることである。
最近、全ての条件が揃い始めている。
1つ目の条件に関し、司法改革の失敗から優秀な人材が法曹を目指さなくなってきたことが指摘され始めている。加えて、優秀層が挑戦する予備試験に受験制限を求めようという動きまであるようだ。
http://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2014/pdf/140509b.pdf
これによって、金のない優秀な人のみならず、金持ちの家に育った優秀層も考え方を変えるかもしれない。日本の法律資格を取っても金があって能力がないとのレッテルを貼られる可能性があるので日本の法曹を目指さなくなるかもしれない。
1つ目の条件を満たしたとしても、海外の弁護士資格取得者に対する日本での活動範囲の制限があれば日本の法律事務所は守られ続けるだろう。しかし、その制限が徐々になくなっているようだ。この動きはさらに加速するだろう。
http://www.bengo4.com/topics/1421/
3つ目の条件に関してであるが、人口減少によるマーケットの縮小やグローバル化などにより、外を向いている日本企業が非常に増えてきた。日本の中だけで解決できない法律問題が一気に増えてきている。
日本の大手事務所も必死になって海外オフィスを作っているが、少なくなってきた国内向けの仕事だけでは、巨大化した事務所維持は大変なのかもしれない。
優秀な人材とクライアントが外資系法律事務所に吸い上げられてしまうと、日本の事務所はひとたまりもない。資金力のある外資系事務所は高い初任給で日本の資格を持った優秀層を囲い込む力がある。既に、日本の大手事務所の中には、1000万円を下回る初任給しか出せなくなっているところも出ているようだ。600万円を法科大学院の学費として費やし、卒業後最短でも司法修習が終わるまでの1年9ヶ月くらいの生活費を借金するか親から支援を受けるにより何とか切り抜けてでも弁護士になろうという思わせるためには1000万円以上の初任給は必要であろう。以前と比較すればかなり円安になった現在、外資系法律事務所にとって日本円で1000万円を超える初任給を支払うことは容易である。
海外関連の法律問題がある企業(クライアント)も徐々に外資系法律事務所に吸い上げられているようだ。海外に関する案件はどの国に関しても英語で行われることが多い。わずか2年程度を海外で過ごした日本人が常日英語で仕事をしている外資系事務所の弁護士に勝る仕事をするためにはよほど優秀でなければならない。しかし、優秀層は着実に減ってきている。日本の法律事務所が単に外国の事務所とクライアントとの仲介をするだけであれば、直接外資系法律事務所に依頼した方が良いと思うクライアントが増えてもおかしくないだろう。日本の法律事務に関しても外資系事務所に吸い上げられてしまった数少ない優秀な日本の弁護士に依頼するのがよいということになるかもしれない。
今まで、国内案件が主であった企業は国内の事務所を主の事務所として、海外案件があるときはその事務所を通じて海外の事務所を使ったかも知れない。しかし、海外案件で弁護士を使うことの方が国内案件で弁護士を使うことより多い企業であれば、主の事務所を外資系法律事務所として、国内案件についても同じ外資系事務所の日本弁護士を使うことになるだろう。
このようにして、徐々に、外資系事務所との結びつきがない日本の法律事務所は企業にとって使い勝手が悪いとみなされるようになってきているのではないか。
既に外資系事務所と運命を共にするとの決定をした日本の比較的大きな事務所もある。
http://www.bingham.com/Offices/Tokyo
http://www.bakermckenzie.co.jp/e/
http://www.mofo.jp/
日本にオフィスを置いている外資系法律事務所は数え切れないほどある(思いついたものをいくつかあげておく)。
http://www.linklaters.com/Locations/Pages/JapanTR.aspx
http://www.ommtokyo.jp/
http://www.whitecase.com/ja-JP/Locations/OfficeDetail.aspx?office=42
http://www.dlapiper.com/ja/japan/insights/publications/2012/07/dla-piper-in-tokyo/
http://www.morganlewis.jp/index.cfm/fuseaction/content.page/nodeID/0cd6afdf-6aa2-46d2-96d0-df6aee7e5abb/
http://japan.squiresanders.com/ja/lmshome.aspx
http://www.hoganlovells.jp/ja/offices/Office.aspx?office=12
http://www.lw.com/offices/tokyo
http://www.foley.com/ll-ja-jp/japan/
http://www.paulhastings.com/ja/about-us
http://www.cliffordchance.jp/
断っておくが、これらの外資系大手事務所は有名ロースクールを優秀な成績で卒業した者しか雇わない。
予備試験の受験制限ができれば、旧司法試験組みがいなくなる頃には、企業法務と言えばたとえ日本法に関する企業法務であっても外資系事務所に依頼するという時代が来るかもしれない。予備試験の受験制限を唱えている財界人は、そこまで考えているのだろうか。
2014年5月13日火曜日
アメリカンドリームは過去の話 ― 学費の借金に潰される
アメリカでは、大学以上の教育機関の学費が毎年上がっている。
リーマンショックで、他のほとんどの費用が下がったときも、学費だけは上がり続けた。
ロースクールも高いが、大学も高い。それも有名校は私立大学である場合が多く、学費が日本の感覚では信じられないほど高い。こんなに高くて誰が大学に行けるのだろうかと疑問に思うくらいである。ただ、世界各国からアメリカで教育を受けようと学生が集まってくるので、学費を下げずにやっていられるようだ。
一般のアメリカ人は少しでも安く大学に行くために皆苦労している。
州立大学などは、州内に一定期間以上居住している学生の学費を若干安くしているので、優秀な学生であっても、有名な私立大学ではなく、近くの州立大学に入学する。
スポーツが得意な学生はスポーツ入学による奨学金を狙っている。アメリカでスポーツが盛んな理由はここにあるのではないかと思ってしまうくらい真剣になっている親もいる。
さらに、子供を大学に進学させたい親は、子供が生まれたらすぐに大学のための学費を貯蓄し始める。
孫が生まれたからと、2歳、3歳の孫の将来の大学の学費用に投資を始めるのも最近では普通になってきている。
金持ちの家に育っていない奨学金を受けられない子供は、借金をして大学に通うか、進学を諦めるか選択しなければならない。
受けられる教育の違いから、金持ちはより金持ちになり、貧困層は貧困層として固定するようになっている。
「もう、アメリカンドリームは過去の話なのか」とアメリカのメディアで話題になることも多くなった。
しかし、これは、単にアメリカだけの話だろうか。ちょっと目を向けてみると、日本では国公立大学の学費が非常に高くなり、返す奨学金、つまり借金をして大学にいった学生が卒業後苦しみもがいている。それだけではない。アメリカを模倣して法科大学院等、色々な大学院が出来上がり、原則として卒業が国家試験を受ける条件となっていたりする。
日本の弁護士の中には、弁護士の人数を減らすことに主眼があるかのように法科大学院に反対している人が多い。しかし、人数が云々は副次的な問題なのではないか。
もっと大きな視点で見てみれば、学位を要求する制度を作ることで、金持ちでない家に生まれ育った優秀で真面目な人からその能力を発揮する機会を奪っていることではないか。
こんなことを続けていれば、日本が国として衰退していくのではないか心配である。
リーマンショックで、他のほとんどの費用が下がったときも、学費だけは上がり続けた。
ロースクールも高いが、大学も高い。それも有名校は私立大学である場合が多く、学費が日本の感覚では信じられないほど高い。こんなに高くて誰が大学に行けるのだろうかと疑問に思うくらいである。ただ、世界各国からアメリカで教育を受けようと学生が集まってくるので、学費を下げずにやっていられるようだ。
一般のアメリカ人は少しでも安く大学に行くために皆苦労している。
州立大学などは、州内に一定期間以上居住している学生の学費を若干安くしているので、優秀な学生であっても、有名な私立大学ではなく、近くの州立大学に入学する。
スポーツが得意な学生はスポーツ入学による奨学金を狙っている。アメリカでスポーツが盛んな理由はここにあるのではないかと思ってしまうくらい真剣になっている親もいる。
さらに、子供を大学に進学させたい親は、子供が生まれたらすぐに大学のための学費を貯蓄し始める。
孫が生まれたからと、2歳、3歳の孫の将来の大学の学費用に投資を始めるのも最近では普通になってきている。
金持ちの家に育っていない奨学金を受けられない子供は、借金をして大学に通うか、進学を諦めるか選択しなければならない。
受けられる教育の違いから、金持ちはより金持ちになり、貧困層は貧困層として固定するようになっている。
「もう、アメリカンドリームは過去の話なのか」とアメリカのメディアで話題になることも多くなった。
しかし、これは、単にアメリカだけの話だろうか。ちょっと目を向けてみると、日本では国公立大学の学費が非常に高くなり、返す奨学金、つまり借金をして大学にいった学生が卒業後苦しみもがいている。それだけではない。アメリカを模倣して法科大学院等、色々な大学院が出来上がり、原則として卒業が国家試験を受ける条件となっていたりする。
日本の弁護士の中には、弁護士の人数を減らすことに主眼があるかのように法科大学院に反対している人が多い。しかし、人数が云々は副次的な問題なのではないか。
もっと大きな視点で見てみれば、学位を要求する制度を作ることで、金持ちでない家に生まれ育った優秀で真面目な人からその能力を発揮する機会を奪っていることではないか。
こんなことを続けていれば、日本が国として衰退していくのではないか心配である。
2014年5月7日水曜日
大手事務所に移籍したパートナーの消息
大手事務所(500人以上弁護士のいる事務所)にパートナーとして移籍した知っている弁護士のその後の消息をウエブで調べてみた。
驚いたことに、半数以上のパートナー弁護士が移籍したはずの大手事務所から3年以内に消えている。中には、他の大手事務所に移籍している場合もあるが、行方不明に近いような人もいる。アメリカの弁護士の多くはLinkedInのアカウントを持っているが、自分のプロフィールを更新しなくなった人もいる。
一応事務所には所属しているようだが、よく見ると個人事務所である場合、つまり自分で事務所を設立している元パートナーもいる。
中小規模の事務所に所属している人もいるが、どうもウエブサイト上での印象と実際の事務所とは違うだろうと予想の付く事務所であることが多い。つまり、ウエブサイト上では30人~50人くらいの弁護士が所属する中規模の事務所のように見えても、実態は個人事務所の集合がウエブサイト上でのみ大きな事務所のように見せている事務所である。
見せかけだけ規模がある事務所は下記のような特徴がある。
・ 弁護士の数と比較して、オフィスの数が多い、例えば、30人程度しか弁護士が所属していないのに、ヒューストンオフィス、ロスオフィス、シアトルオフィス、ワシントンDCオフィス等、5つくらいオフィスがある。海外オフィスまであったりする。
・ 同じオフィスにいるはずの弁護士の直通番号が下7桁くらいバラバラである。もし、同じオフィス内にいる場合は、下4桁だけが異なるのが通常である。
・ 弁護士の写真が載っているが、背景など写真の撮り方がかなりバラバラである。
大手事務所にパートナーとして移籍した弁護士は、原則として新しい事務所から仕事を与えられない前提で事務所に入ってきている。そこで、自分で大手事務所で求められる年間1億円程度の売り上げを出せない場合には、辞めさせられることになる。
アメリカは法律事務所に限らず、容赦がない。仕事をもって来れないと分かれば、1年~2年程度で辞めさせられる。
そこで、クライアントの一部しか一緒に移籍してくれなかった、あるいは、移籍したいがために移籍交渉中に大きなことを言ってみたが(年の売り上げを倍で申告した等)、そのとおりにならなかった場合など、弁護士は大手事務所を辞めざるを得なくなる。そこで、次の移籍先を探すことになるが、1,2年おきに事務所を転々としていては、最初は一緒に移ってくれたクライアントからも最終的に見放されることになるだろう。
このようにして消えていく弁護士がアメリカには数多くいるのである。
驚いたことに、半数以上のパートナー弁護士が移籍したはずの大手事務所から3年以内に消えている。中には、他の大手事務所に移籍している場合もあるが、行方不明に近いような人もいる。アメリカの弁護士の多くはLinkedInのアカウントを持っているが、自分のプロフィールを更新しなくなった人もいる。
一応事務所には所属しているようだが、よく見ると個人事務所である場合、つまり自分で事務所を設立している元パートナーもいる。
中小規模の事務所に所属している人もいるが、どうもウエブサイト上での印象と実際の事務所とは違うだろうと予想の付く事務所であることが多い。つまり、ウエブサイト上では30人~50人くらいの弁護士が所属する中規模の事務所のように見えても、実態は個人事務所の集合がウエブサイト上でのみ大きな事務所のように見せている事務所である。
見せかけだけ規模がある事務所は下記のような特徴がある。
・ 弁護士の数と比較して、オフィスの数が多い、例えば、30人程度しか弁護士が所属していないのに、ヒューストンオフィス、ロスオフィス、シアトルオフィス、ワシントンDCオフィス等、5つくらいオフィスがある。海外オフィスまであったりする。
・ 同じオフィスにいるはずの弁護士の直通番号が下7桁くらいバラバラである。もし、同じオフィス内にいる場合は、下4桁だけが異なるのが通常である。
・ 弁護士の写真が載っているが、背景など写真の撮り方がかなりバラバラである。
大手事務所にパートナーとして移籍した弁護士は、原則として新しい事務所から仕事を与えられない前提で事務所に入ってきている。そこで、自分で大手事務所で求められる年間1億円程度の売り上げを出せない場合には、辞めさせられることになる。
アメリカは法律事務所に限らず、容赦がない。仕事をもって来れないと分かれば、1年~2年程度で辞めさせられる。
そこで、クライアントの一部しか一緒に移籍してくれなかった、あるいは、移籍したいがために移籍交渉中に大きなことを言ってみたが(年の売り上げを倍で申告した等)、そのとおりにならなかった場合など、弁護士は大手事務所を辞めざるを得なくなる。そこで、次の移籍先を探すことになるが、1,2年おきに事務所を転々としていては、最初は一緒に移ってくれたクライアントからも最終的に見放されることになるだろう。
このようにして消えていく弁護士がアメリカには数多くいるのである。
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