日本で、弁護士の業務拡大を叫ぶ声が多い。ただ、今のままの制度では、弁護士の業務が拡大するとは思えない。弁護士登録抹消者を増やすだけである。
弁護士の業務拡大に必要なのは、二つ、①弁護士会費を年間5万円程度に下げることと、②海外を業務の本拠地とする弁護士登録を認めることではないだろうか。
まず、①についてであるが、現在、地域によって金額の違いはあるが、弁護士会費は年間60万円から100万円程度である。10年間支払い続ければ600万円から1000万円である。個人で負担するにはあまりにも額が多い。会社が5人の弁護士を雇って、弁護士会費を会社で負担した場合、年間300万円から500万円を負担することになるが、こうなると、人を一人雇うのに匹敵する負担になる。
こうなってくると、本当に弁護士登録をしなければ仕事ができない業務をやる弁護士以外は、弁護士登録を続けるのか、弁護士登録を抹消するかという選択を迫られることになる。
拡大された弁護士業務というのは、本来なら弁護士登録をしなくてもできる仕事がかなり含まれるはずである。弁護士業務を拡大するためには、弁護士会費を下げることで、弁護士登録を抹消するかという悩みを解消する必要がある。弁護士会費を下げることは、中規模の企業が弁護士を雇いやすくするためにも重要である。大企業でも、法務部には弁護士資格を持っている人しか雇わないといい始める会社が増えてくるかもしれない。
次に②についてであるが、これだけグローバル化が進んでいるなか、日本の弁護士会は、弁護士登録のために日本の住所を使わなければならないとは、驚きである。同じく日本の強制加入団体である弁理士会は、海外の住所で登録することを許しているようだ。弁護士会には、日弁連と各地域の単位会があって、その単位会によって弁護士会費が決まってくる。日本のどこに住所があるかでどの単位会に強制加入しなければならないかが決まるので、弁理士会とは違うのだと言うのかもしれない。しかし、海外にいる弁護士は、日弁連にだけ加入すればよいなど制度を変える方法を模索できないのだろうか。さもなければ、日本の弁護士登録が仕事上必須でなければ、弁護士会費の高さとあいまって、登録を抹消するだろう。実際そうやって登録を抹消した弁護士を何人か知っている。弁護士業務拡大を叫ぶ弁護士会は、弁護士がグローバルに働くことを掲げてることが多いが、日本の弁護士会の制度は弁護士がグローバルに働けないような制度になっているのである。自己矛盾である。
結局、弁護士業務拡大を主張している弁護士会は、弁護士会自体が弁護士業務拡大の障害になっていることを気づいているのだろうか。
2015年9月5日土曜日
2015年9月1日火曜日
マチ弁から足を洗った理由
私が司法試験に合格したのは、修習が2年間だったころである。司法試験に合格すれば一生安泰と言われ、就職活動イコール法律事務所に食事をご馳走になることであった。また、司法試験に合格したと言えば、周りの人が「すごいですね。」と2歩、3歩下がって驚いてくれた時代である。当時はこれで食うに困ることはないだろうと思っていた。
しかし、2000年に、驚く出来事が起こった。ロースクールと3000人合格を推進するという決議をするための、東京の弁護士会館のクレオの総会の様子は、今でも鮮明に覚えている。普段であれば、委任状を出すだけの地方の弁護士たちが、この時ばかりは東京に集まった。クレオの会場に入りきらない弁護士が会場の外に溢れだし、会館の1階には特別のテレビが設置され、会場の様子が映し出された。日弁連会長を推した派閥が、決議に賛成すると決めた以上、弁護士会派閥支持者によってこの決議が可決されるのは皆承知している。しかし、「お願いだから一言いわせてくれ」と、地方の弁護士たちが地方の弁護士会を代表して、次々と発言していた。予定時間はもうとっくに過ぎている。私は30分程度しか会場にいなかったが、その時の地方からやってきた弁護士の様子は今でも覚えている。地方からやってきた弁護士は皆危機感があった。弁護士会派閥の執行部は、当日まで派閥会員に電話をかけて可決の票集めに必死になっていた。
この当時、既に弁護士になっていた者であれば、ロースクールができて、1年に3000人も合格すればとんでもないことが起きることは分かっていたはずである。しかし、一部には、まだまだ大丈夫という楽観論もあった。修習期間が2年から1年半になった時、52期は3月に修習期間が終わり、53期は同じ年の10月頃に修習期間が終わることになることで、1年間に1500人の修習修了者が発生して就職にあぶれるものが出るのではないかとささやかれていたが、就職にあぶれて困っている人がいるという話を聞くことはなかったからである。
もし、ロースクールと3000人合格計画が実行されたら大変なことになると直感した。
ただ、確信があったのは、ロースクールが始まってから5年は、まだ現状が維持されるだろうということだ。しかし、この5年間は、猶予期間に過ぎない。この5年が過ぎた後に徐々にやってくる、弁護士苦難の時代に備えて、今から何らかの対策をたてなければならない。さもなければ、食っていくのは難しくなるだろう。この5年間をどのように過ごすかでその後の一生が決まると。
そこで、マチ弁から足を洗うことを決意し、マチ弁以外で食べていく基礎を築くための計画を実行した。気が付くと、日本の弁護士資格を使って仕事をしていないことに気づいた。
いつか、皆が司法改革の誤りに気づいて、対策をたてる日が来たら、日本の弁護士に戻ろうかと思ったが、最近ではそのような日が来ることはないと確信するようになった。
驚いたことに、当時東京にいるほとんどのマチ弁から危機感のようなものを全くと言ってよいほど感じられなかったことだ。マチ弁たちは、弁護士苦難の時代が来るのを首を洗って待っているのだろうかと思うほどであった。
ロースクールと3000人決議の票集めのために、当日まで派閥会員に電話をかけて投票を呼び掛けていた弁護士は今頃になってあの時のことを振り返ったりしているのだろうか。
しかし、2000年に、驚く出来事が起こった。ロースクールと3000人合格を推進するという決議をするための、東京の弁護士会館のクレオの総会の様子は、今でも鮮明に覚えている。普段であれば、委任状を出すだけの地方の弁護士たちが、この時ばかりは東京に集まった。クレオの会場に入りきらない弁護士が会場の外に溢れだし、会館の1階には特別のテレビが設置され、会場の様子が映し出された。日弁連会長を推した派閥が、決議に賛成すると決めた以上、弁護士会派閥支持者によってこの決議が可決されるのは皆承知している。しかし、「お願いだから一言いわせてくれ」と、地方の弁護士たちが地方の弁護士会を代表して、次々と発言していた。予定時間はもうとっくに過ぎている。私は30分程度しか会場にいなかったが、その時の地方からやってきた弁護士の様子は今でも覚えている。地方からやってきた弁護士は皆危機感があった。弁護士会派閥の執行部は、当日まで派閥会員に電話をかけて可決の票集めに必死になっていた。
この当時、既に弁護士になっていた者であれば、ロースクールができて、1年に3000人も合格すればとんでもないことが起きることは分かっていたはずである。しかし、一部には、まだまだ大丈夫という楽観論もあった。修習期間が2年から1年半になった時、52期は3月に修習期間が終わり、53期は同じ年の10月頃に修習期間が終わることになることで、1年間に1500人の修習修了者が発生して就職にあぶれるものが出るのではないかとささやかれていたが、就職にあぶれて困っている人がいるという話を聞くことはなかったからである。
もし、ロースクールと3000人合格計画が実行されたら大変なことになると直感した。
ただ、確信があったのは、ロースクールが始まってから5年は、まだ現状が維持されるだろうということだ。しかし、この5年間は、猶予期間に過ぎない。この5年が過ぎた後に徐々にやってくる、弁護士苦難の時代に備えて、今から何らかの対策をたてなければならない。さもなければ、食っていくのは難しくなるだろう。この5年間をどのように過ごすかでその後の一生が決まると。
そこで、マチ弁から足を洗うことを決意し、マチ弁以外で食べていく基礎を築くための計画を実行した。気が付くと、日本の弁護士資格を使って仕事をしていないことに気づいた。
いつか、皆が司法改革の誤りに気づいて、対策をたてる日が来たら、日本の弁護士に戻ろうかと思ったが、最近ではそのような日が来ることはないと確信するようになった。
驚いたことに、当時東京にいるほとんどのマチ弁から危機感のようなものを全くと言ってよいほど感じられなかったことだ。マチ弁たちは、弁護士苦難の時代が来るのを首を洗って待っているのだろうかと思うほどであった。
ロースクールと3000人決議の票集めのために、当日まで派閥会員に電話をかけて投票を呼び掛けていた弁護士は今頃になってあの時のことを振り返ったりしているのだろうか。
2015年8月24日月曜日
自分は特別で優秀な弁護士だ
最近アメリカでは、子供に、みんながトロフィーをもらえるという教育を実施しているようだ。例えばスポーツ大会で負けても、みんなが参加賞というトロフィーをもらって、誰一人負け組がいないとして、子供たちの自尊心を高めるという教育だ。ひどい場合は、スコアさえつけないのだそうだ。「あなたは、Special(特別)なのよ」と言って子供を褒めまくって育てるのである。
これが本当に子どもの将来にとって良いことなのか、悪影響の方が大きいのではないかということを扱っているテレビ番組があった。
この傾向が始まったのは1980年代の初めで、根柢には子供たちのSelf-esteem (自尊心)を高めることが子供の教育にとって良い影響を与えるというコンセプトがあるようだ。次第にこの教育は度を超えていき、現在の、参加すれば皆がトロフィーをもらえる、学校の成績も悪い成績をつけないという、極端な褒める教育へと発展したようだ。
しかし、大学に進学し、社会に出ても、I'm special(私は特別)と思ったままの人も多くなり、社会から悪い評価を受けると愕然とし、社会は私の真の能力について正当に評価していない等の不満を抱いたりするようだ。
さらに、生物学的にも多くの褒美をもらっていると、褒美を得るための努力をしなくなり、途中で諦めたり、集中力が続かなくなるという研究もあるようだ。
ふと思い出したのが、アメリカの「自分は特別で優秀弁護士だ」と吹聴する弁護士の数の多さである。しかし、そう言っている弁護士が優秀とは程遠い弁護士であるということは多い。
もしかして、このようなアメリカ式の教育の副産物なのかと考え込んでしまった。
最近のみんながトロフィーをもらうという行き過ぎた教育によって、将来の弁護士は、「自分は特別で優秀な弁護士だ。私を選ばないクライアントが悪い。」とかと言い出すのだろうか。
これは、アメリカだけの話で終わるのだろうか。将来こんなことが日本でも起こるかもしれない。
入学者数を確保できない日本の法科大学院が、「あなたは素晴らしい、特別だ」と騙して間違っても優秀とは言えない人をロースクールに入学させ、司法試験の合格者数を確保する国策により下位の人までもが司法試験に合格し、素晴らしいと褒められ、法科大学院でプロセスを経た弁護士は最高であるとの教えをそのまま信じて、その気になったまま弁護士になり、クライアントがいなくても「自分は特別で優秀な弁護士だ。私を選ばないクライアントは頭が悪くて自分の優秀さを分からないんだ。」と思い込むことがあるかもしれない。
これが本当に子どもの将来にとって良いことなのか、悪影響の方が大きいのではないかということを扱っているテレビ番組があった。
この傾向が始まったのは1980年代の初めで、根柢には子供たちのSelf-esteem (自尊心)を高めることが子供の教育にとって良い影響を与えるというコンセプトがあるようだ。次第にこの教育は度を超えていき、現在の、参加すれば皆がトロフィーをもらえる、学校の成績も悪い成績をつけないという、極端な褒める教育へと発展したようだ。
しかし、大学に進学し、社会に出ても、I'm special(私は特別)と思ったままの人も多くなり、社会から悪い評価を受けると愕然とし、社会は私の真の能力について正当に評価していない等の不満を抱いたりするようだ。
さらに、生物学的にも多くの褒美をもらっていると、褒美を得るための努力をしなくなり、途中で諦めたり、集中力が続かなくなるという研究もあるようだ。
ふと思い出したのが、アメリカの「自分は特別で優秀弁護士だ」と吹聴する弁護士の数の多さである。しかし、そう言っている弁護士が優秀とは程遠い弁護士であるということは多い。
もしかして、このようなアメリカ式の教育の副産物なのかと考え込んでしまった。
最近のみんながトロフィーをもらうという行き過ぎた教育によって、将来の弁護士は、「自分は特別で優秀な弁護士だ。私を選ばないクライアントが悪い。」とかと言い出すのだろうか。
これは、アメリカだけの話で終わるのだろうか。将来こんなことが日本でも起こるかもしれない。
入学者数を確保できない日本の法科大学院が、「あなたは素晴らしい、特別だ」と騙して間違っても優秀とは言えない人をロースクールに入学させ、司法試験の合格者数を確保する国策により下位の人までもが司法試験に合格し、素晴らしいと褒められ、法科大学院でプロセスを経た弁護士は最高であるとの教えをそのまま信じて、その気になったまま弁護士になり、クライアントがいなくても「自分は特別で優秀な弁護士だ。私を選ばないクライアントは頭が悪くて自分の優秀さを分からないんだ。」と思い込むことがあるかもしれない。
2015年8月20日木曜日
日本の法曹界がアメリカ化しているのでは その2
つづき
アメリカの弁護士を見ていて思うのであるが、親が成功している弁護士である場合、子供も成功している弁護士である場合が多い気がする。二世弁護士が成功する理由については憶測でしかないが、親が弁護士であれば、ロースクールに入る前からどうすれば成功するかについて情報を得ていることも一因であろう。特に重要な理由としては、親のコネを利用できることにあるだろう。アメリカでは、ロースクール卒業後に弁護士の資格が必要な仕事に就くこと自体が難しい。どんなに優秀な人であっても、司法修習もないアメリカでは実務経験を積めないことには、優秀な弁護士にはなれない。二世弁護士の場合は、この弁護士として必須の実務経験を積む機会を得られる可能性が二世弁護士でない人と比較して非常に高いのだろう。
日本でも二世弁護士が増えたと言われている。また、就職先が見つからなければ、親の事務所に逃げ込むことができる二世弁護士は、そうでない弁護士より実務経験を得られる可能性は高いであろう。つまり、成功する可能性は高くなる。
アメリカではコネがあるかどうかが、弁護士として成功していけるかを大きく左右する。
事務所にとって稼ぎが良い弁護士にならなければ、リーガルサービスの提供というビジネスを行っている法律事務所から放り出される。一旦大手事務所の外に放りだされると、ロースクールのための借金が返せなくなる。
事務所を儲けさせるためには、優良な企業を事務所のクライアントとすることである。優良な企業はそう簡単に依頼事務所を変えてくれたりしない。依頼事務所を変えさせるためには、何と言ってもコネが重要である。コネがあるというだけで、弁護士としての能力が十分でなくても、転職先はいくらでも見つかる。仕事をする弁護士の替えは見つかるが、クライアントを引っ張ってこれるコネがある弁護士の替えはそう簡単には見つからないからだ。
日本では、アメリカほど、コネが重要となっているかどうか分からないが、弁護士が増えて競争が激化すれば、コネで仕事を持ってこれる弁護士であれば、どの事務所も喉から手が出るほど採用したいだろう。
アメリカではマチ弁的な仕事は、法律関係の有名なウエブサイトによって浸食されており、弁護士の仕事が減っていると不満を述べている弁護士が結構いる。
アメリカで最近勢力をのばしているのは、Legalzoom.comというサイトである。内容はあまり良く分からないが契約の作成を自動で行ったり、弁護士にウエブを通じて質問たり、場合によっては弁護士の紹介もあるようだ。テレビのコマーシャルで、かなり宣伝している。
日本でも弁護士ドットコムというサイトがあるようで、簡単にウエブを通じて相談などができるようである。弁護士の数がある程度増えて、弁護士というだけでは仕事が来ないので、藁をもつかむ気持ちで営業に繋がれば何でもやると思っている弁護士が一定数以上いることが、このようなサイトを成功させる前提となるだろう。弁護士の増加で日本でもその前提条件が整ったわけである。
そのうち、日本でもアメリカのように弁護士を揶揄するジョークが出てくるのだろうか。それとも、弁護士の地位が下がりすぎてジョークのネタにもならない時代がくるのだろうか。
アメリカの弁護士を見ていて思うのであるが、親が成功している弁護士である場合、子供も成功している弁護士である場合が多い気がする。二世弁護士が成功する理由については憶測でしかないが、親が弁護士であれば、ロースクールに入る前からどうすれば成功するかについて情報を得ていることも一因であろう。特に重要な理由としては、親のコネを利用できることにあるだろう。アメリカでは、ロースクール卒業後に弁護士の資格が必要な仕事に就くこと自体が難しい。どんなに優秀な人であっても、司法修習もないアメリカでは実務経験を積めないことには、優秀な弁護士にはなれない。二世弁護士の場合は、この弁護士として必須の実務経験を積む機会を得られる可能性が二世弁護士でない人と比較して非常に高いのだろう。
日本でも二世弁護士が増えたと言われている。また、就職先が見つからなければ、親の事務所に逃げ込むことができる二世弁護士は、そうでない弁護士より実務経験を得られる可能性は高いであろう。つまり、成功する可能性は高くなる。
アメリカではコネがあるかどうかが、弁護士として成功していけるかを大きく左右する。
事務所にとって稼ぎが良い弁護士にならなければ、リーガルサービスの提供というビジネスを行っている法律事務所から放り出される。一旦大手事務所の外に放りだされると、ロースクールのための借金が返せなくなる。
事務所を儲けさせるためには、優良な企業を事務所のクライアントとすることである。優良な企業はそう簡単に依頼事務所を変えてくれたりしない。依頼事務所を変えさせるためには、何と言ってもコネが重要である。コネがあるというだけで、弁護士としての能力が十分でなくても、転職先はいくらでも見つかる。仕事をする弁護士の替えは見つかるが、クライアントを引っ張ってこれるコネがある弁護士の替えはそう簡単には見つからないからだ。
日本では、アメリカほど、コネが重要となっているかどうか分からないが、弁護士が増えて競争が激化すれば、コネで仕事を持ってこれる弁護士であれば、どの事務所も喉から手が出るほど採用したいだろう。
アメリカではマチ弁的な仕事は、法律関係の有名なウエブサイトによって浸食されており、弁護士の仕事が減っていると不満を述べている弁護士が結構いる。
アメリカで最近勢力をのばしているのは、Legalzoom.comというサイトである。内容はあまり良く分からないが契約の作成を自動で行ったり、弁護士にウエブを通じて質問たり、場合によっては弁護士の紹介もあるようだ。テレビのコマーシャルで、かなり宣伝している。
日本でも弁護士ドットコムというサイトがあるようで、簡単にウエブを通じて相談などができるようである。弁護士の数がある程度増えて、弁護士というだけでは仕事が来ないので、藁をもつかむ気持ちで営業に繋がれば何でもやると思っている弁護士が一定数以上いることが、このようなサイトを成功させる前提となるだろう。弁護士の増加で日本でもその前提条件が整ったわけである。
そのうち、日本でもアメリカのように弁護士を揶揄するジョークが出てくるのだろうか。それとも、弁護士の地位が下がりすぎてジョークのネタにもならない時代がくるのだろうか。
2015年8月11日火曜日
日本の法曹界がアメリカ化しているのでは その1
日本がアメリカ型のロースクールを取り入れて、日本の法曹界はどうなることかと見ていたが、ある意味アメリカ化してきていると感じる。
一般の人が日本の法曹界がアメリカ化すると言うと想像するのは、なんでも訴訟社会で、ちょっとしたことでも弁護士がすぐ訴訟を起こすというイメージかもしれない。しかし、ここで私がアメリカ化と言っているのはそういうことではない。
まず、アメリカでは弁護士が二極化している。10パーセントに満たないリッチな弁護士と、70パーセントを占める所得の高くない弁護士。リッチな弁護士の中には日本円にして億単位の稼ぎがあるものもいる。その反面、弁護士としての職にすらつけない弁護士資格保持者がゴロゴロしている。
ブランドイメージが高く、1時間弁護士一人あたり数万円から10万円請求する大手法律事務所があるかと思えば、派遣会社に所属しながら仕事があった時だけ派遣として働く弁護士や、弁護士として働くことを諦めた資格保持者もいるのである。
日本でも似たような現象が起こり始めている。今まで、弁護士になれば、弁護士の中では所得が低い弁護士であっても、そこそこ余裕のある生活ができた。しかし、現在では、一部のリッチな弁護士と、所得の低い弁護士の二極化が進んでいる。リッチな弁護士は億単位の稼ぎがあるので、平均すると弁護士の給料は高いということになるが、二極化している場合、平均値は統計的な意味は低い。
次に、アメリカではビジネス最優先主義である。金になるかならないかを重視する弁護士が非常に多く、一般的である。大手事務所にはMBAを取得した営業専門の人がいて、彼らは、事務所のブランドイメージを高めるために日々努力をしている。下手な安売り合戦などやらない。また、大手事務所になればなるほど、金になるクライアントと仕事を選んで引き受けている。
また、個人の弁護士レベルでも、そもそも、ロースクールに多額の学費を支払っても将来その投資が取り返せると思って弁護士になる者が多いので、投下資本回収というビジネス目的を弁護士になった時から持っている人が多い。ロースクールのための借金、2000万円程度を返しながら、さらに、住宅ローン、自動車ローンと3重のローンを抱えている人は多く、弁護士の稼ごうとするモチベーションは高い。
日本の大手事務所では、明らかにアメリカの大手事務所と同じような傾向がみられるようになった。事務所のブランドイメージを高める戦略が重視されるようになった。事務所ランキング、弁護士ランキングの順位を高めるための努力もしている。
今、期の若い弁護士の間では弁護士が営業活動するのは当然とみられている。弁護士業務イコールビジネス活動という考えが浸透している証拠である。営業活動をどうやってやるべきかという出版物を購入し、営業セミナーに積極的に参加する若手は多い。
借金を背負っての出発という新人弁護士が増えた。家も車も買えないぎりぎりの生活をしている若手弁護士も多い。営業活動を積極的に行って、金儲けをしなければというモチベーションは高くなっている。
つづく
一般の人が日本の法曹界がアメリカ化すると言うと想像するのは、なんでも訴訟社会で、ちょっとしたことでも弁護士がすぐ訴訟を起こすというイメージかもしれない。しかし、ここで私がアメリカ化と言っているのはそういうことではない。
まず、アメリカでは弁護士が二極化している。10パーセントに満たないリッチな弁護士と、70パーセントを占める所得の高くない弁護士。リッチな弁護士の中には日本円にして億単位の稼ぎがあるものもいる。その反面、弁護士としての職にすらつけない弁護士資格保持者がゴロゴロしている。
ブランドイメージが高く、1時間弁護士一人あたり数万円から10万円請求する大手法律事務所があるかと思えば、派遣会社に所属しながら仕事があった時だけ派遣として働く弁護士や、弁護士として働くことを諦めた資格保持者もいるのである。
日本でも似たような現象が起こり始めている。今まで、弁護士になれば、弁護士の中では所得が低い弁護士であっても、そこそこ余裕のある生活ができた。しかし、現在では、一部のリッチな弁護士と、所得の低い弁護士の二極化が進んでいる。リッチな弁護士は億単位の稼ぎがあるので、平均すると弁護士の給料は高いということになるが、二極化している場合、平均値は統計的な意味は低い。
次に、アメリカではビジネス最優先主義である。金になるかならないかを重視する弁護士が非常に多く、一般的である。大手事務所にはMBAを取得した営業専門の人がいて、彼らは、事務所のブランドイメージを高めるために日々努力をしている。下手な安売り合戦などやらない。また、大手事務所になればなるほど、金になるクライアントと仕事を選んで引き受けている。
また、個人の弁護士レベルでも、そもそも、ロースクールに多額の学費を支払っても将来その投資が取り返せると思って弁護士になる者が多いので、投下資本回収というビジネス目的を弁護士になった時から持っている人が多い。ロースクールのための借金、2000万円程度を返しながら、さらに、住宅ローン、自動車ローンと3重のローンを抱えている人は多く、弁護士の稼ごうとするモチベーションは高い。
日本の大手事務所では、明らかにアメリカの大手事務所と同じような傾向がみられるようになった。事務所のブランドイメージを高める戦略が重視されるようになった。事務所ランキング、弁護士ランキングの順位を高めるための努力もしている。
今、期の若い弁護士の間では弁護士が営業活動するのは当然とみられている。弁護士業務イコールビジネス活動という考えが浸透している証拠である。営業活動をどうやってやるべきかという出版物を購入し、営業セミナーに積極的に参加する若手は多い。
借金を背負っての出発という新人弁護士が増えた。家も車も買えないぎりぎりの生活をしている若手弁護士も多い。営業活動を積極的に行って、金儲けをしなければというモチベーションは高くなっている。
つづく
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