2016年12月21日水曜日

日本の弁護士会費は正気の沙汰ではない!?

大手法律事務所が個々の弁護士が負担している弁護士費用を負担するのは、一般的である。

アメリカの弁護士になったばかりの頃、当時アソシエイトとして働き始めた事務所のパートナーが「日本の弁護士会費も事務所で負担してもらえると思うよ」というので、「えっ。本当ですか。年間6000ドルくらいかかるのですが、大丈夫ですか?」と答えると、「年間6000ドルもするのか???」と言ったまま、パートナーは、言葉が出なくなっていた。

その後、言うまでもないが、そのパートナーが、日本の弁護士会費の話を持ち出すことはなかった。

やはり、日本の弁護士会費はアメリカの弁護士にとったら、正気の沙汰ではないのであろう。

2016年12月8日木曜日

カジノで金を失うのは誰なのか?

法曹とは関係ないが、カジノ先進国のアメリカから一言いいたい。

日本人がカジノと聞いて思い浮かべるイメージはラスベガスのような若い人たちが、おしゃれな格好をしてバケーションを楽しんでいる華やかなものであろう。

もしかすると、それは瞑想かもしれないという話をしたい。

以前、ニュージャージーの郊外にあるアトランティックシティーという街にあるカジノに平日の昼間に行ったことがある。ラスベガスのようなカジノのイメージを描いてカジノのドアを開いたのであるが、思い描いたイメージとの違いに愕然とした。中は養老院かと思うほど、高齢者が目立っていた。中には杖をついている人もかなりいた。同じ市内の他のカジノに行っても状況は同じであった。

特に、スロットマシーンに夢中になっている高齢者が多くいた。そういえば、友人が、高齢の親がカジノに行ってしまって困っているという話をしていたのを思い出した。高齢になると、痴呆症にならないにしろ、自己を抑止する力が衰えてくるのではないかと思う。

補足であるが、以前、仕事の関係で何件かスロットマシーンの特許の明細書を読んだことがある。スロットマシーンの特許は、どうやれば、一般の人が何度も何度も同じスロットゲームをやりたくなって、カジノに戻ってきてくれるかに発明性があると主張しており、そこに特許性が認められていた。つまり、どうすれば一般の人がギャンブル中毒になるか、その方法を見つけて特許しているのである。中毒になる人がいればいるほど、カジノは儲かるからである。

若い人がギャンブル中毒にかかってしまった場合、中毒を直すセラピーによって中毒が治った場合、再度働くことができるが、高齢者が中毒にかかった場合、老後の蓄えを使い果たし、中毒が治ったとしても再度働くことも難しいので、残された道は生活保護である。

カジノの経済的効果があることは否定しないが、既に昼間にやることのない高齢者がたくさんいる日本でカジノを作った場合、老後の資金を使い果たす高齢者が増えて、生活保護費用が増すかもしれない。政府としては経済的に見てもプラスよりマイナスの方が多くなる可能性があるかを総合的に検討すべきだろう。




2016年12月5日月曜日

法律事務所は営利目的法人

アメリカでは、LLC (limited liability company)によってリーガルサービスを提供することを許している州もかなり、LLCとして設立された法律事務所も最近増えていると聞く。
そんな法律事務所のなかには、外部のマネージメントコンサルタント会社が経営に深くかかわっているところがあると聞く。リーガルサービスを提供してコンスタントに利益を得るためには、どのように営業をすべきなのか、誰をクライアントにして誰をクライアントにしないかなど、経営にかかわるかなりの事項を外部のマネージメントコンサルタント会社が決定し、パートナーですら、そのような決定権限がないという事務所すらあるそうだ。

そういえば、ある法律事務所に、簡単に言うと「御社の案件は、他の企業の案件を利益相反で受任できなくしてしまう割には、仕事量が少なくて事務所の利益にならないので、お断りさせていただきます。」と言われたと、ある日本企業の人が怒っていた。

ここまではっきり言う事務所は少ないと思うが、法律事務所が企業のように利益を追求し、外部マーケティングの専門家を雇って、事務所にとって最も利益が出るのはどのような場合かをもとに経営判断をする時代が来ている。

日本でもマーケティングに関するコンサルタント会社のセミナーに参加している弁護士が大勢いる。「弁護士は人権保護を。。。」と言っている時代は終わりに近づいているのではないか。