2018年4月20日金曜日

二世弁護士の落とし穴

以前から知っているあるアメリカの中堅ブティック事務所のウエブサイトを何気なく見てみた。すると、パートナーの半分近くが急にいなくなっていた。さらによく見てみると、事務所の権力者であるネームドパートナーの息子がアソシエイトとして事務所に入所していた。
以前、そのネームドパートナーが、息子に後を継がせたがっているという噂を聞いたことがあった。

はあ~、そうか、きっとこれが原因か。


ある程度の数のパートナーがいる事務所であるにも関わらず、ネームドパートナーが事務所名に自分の名前が入っているために自分個人の事務所であると勘違いし、自分の子供に引き継がせようと無理をして、事務所が分裂したという話はよく聞く。

一定の年齢になると、子供に自分の事務所を継がせたいという気持ちになるのだろうが、完全に自分一人にだけクライアントがついている個人事務所のような事務所でないと、事務所内騒動の原因となる。経験が浅く、生意気な息子をパートナーにしようとすれば、ポータブルクライアントを持っているパートナーがそれに反対して、クライアントを持って他の事務所に移籍しようとする、またはパートナーがまとまってクライアントごと外にでて新しい事務所を設立するというのは理解できるし、実際にこのような話も聞く。

そのような内部抗争に嫌気がさして、息子までもが事務所を継がせようとする親を見放したという話もある。



思慮深い親であれば、他に何人かパートナーがいる事務所に子供を就職させないようにするのが得策なのかもしれない。

1 件のコメント:

  1. 日本の大手事務所だと縁故にまつわるトラブルってあんまりないんでしょうか?

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