2014年1月3日金曜日

法廷ドラマはどこでも間違いだらけ

アメリカの法廷ドラマや映画で、弁護士が証人を尋問する際、証人の周りをうろうろと歩き回り、威嚇的に質問を重ねるのを見ることがあるだろう。実際の裁判で弁護士がそうやっていると思ったら、大間違いである。

弁護士は必要がない限り、証人に近寄っていはいけない。証人に証拠を提示したり、例えば、「書類の7ページの3行目を見てください」と証人に必要箇所を説明する時など、必要がある場合は、裁判官の許可を得て、証人に近寄ることができる。許可も得ずに勝手に証人に近づいたら、裁判官に注意を受ける。証人が萎縮して話せなくなるのを防ぐためである。

アメリカの法廷では、証人席は傍聴席の方を向くかたちで設置されている。陪審員にも応答の様子が見えるようにするためである。事実を判断するのは基本的に陪審員だからである。

これに対して、日本の証人席は裁判官の方を向くかたちで、つまり、傍聴席に背を向けて設置されている。事実を判断するのは裁判官だからである。
しかし、アメリカ映画の影響で、日本のドラマでも傍聴席の方を向いて証人席が設置されていることがある。

日本でもアメリカと同じで、弁護士が必要もないのに証人のまわりをうろうろしながら尋問をすることは許されていないが、これも、ドラマによっては間違った設定がなされている。

法廷ドラマはいつも間違いが多いが、ドラマ的に視聴者受けすることを考えるとそうならざるを得ないのだろうか。