2014年12月2日火曜日

マーケティングの意味


アメリカには、法律事務所用のマーケティング対策について書かれている本が、日本とは比べ物にならないほど多くある。最近はKindleで電子図書が簡単に購入できるだけでなく、ウエブサイトでサンプル送信をクリックすれば最初の20ページくらいがサンプルとして無料で読むことができる。

気分転換に法律事務所のマーケティングに関する電子図書のサンプルをランダムにいくつか読んでみると、John Burnettという人が書いたHow to Avoid Random Acts of Marketing: A Plan for Small to Midsized Legal Firmsという本にマーケティングの定義が書かれていた。
「Marketing is the process of finding, satisfying, and retaining profitable customers.」
当たり前のことかもしれないが、「profitable customers」なのである。見つけるのも、満足させるのも、受任するのも「儲けになる顧客を」なのである。このマーケティングの定義は筆者独自のものかもしれないが、この「profitable customers」の部分に疑問を投げかける弁護士はいないであろう。

つまり、日本で弁護士ももっとマーケティング努力をすべきだという人がいるが、それはある意味、「儲けになる顧客」だけを相手にし、「儲けにならない顧客」を切り捨てろということとイコールなのである。儲けの薄い顧客を相手にする場合は、一つ一つの事件の手間を省いて薄利多売を達成しなければならない。

弁護士にマーケティング努力を求める人々はこの意味を分かっているのであろうか。