2015年7月30日木曜日

クライアントの能力が弁護士評価能力の限界


知人が、クライアント能力限界説をとっているという。一言で言えば、クライアントの能力の限界が弁護士評価能力の限界であるというのだ。

弁護士がいくら良い仕事をしたとしても、依頼者にそれが良い仕事であるかどうかを判断できるだけの能力がなければ、依頼者は良い仕事であるとの評価をすることができない。オフィスが古いとか、仕事と直接関係ない要素に気を取られ、悪い仕事だと勘違いしてしまう危険がある。逆に弁護士があまり良い仕事をしなかったとしても、依頼者がそれを評価できるだけの能力がなければ、その他仕事と直接関係ない要素に騙されて良い仕事だという間違った評価をしてしまう危険性がある。

弁護士の仕事の評価は、クライアントの能力という厚い壁があって、その限界を超えることができないのだ。

私の知人がとっている説であるが、これに賛成する弁護士は多いはずである。だからこそ、弁護士の数を増やして自由市場で淘汰させようとしても、成功しないのである。

弁護士の能力を的確に評価できる依頼者がどれほどいるのだろうか。的確な評価をできる依頼者がいなければ、自由市場で淘汰される弁護士は無能な弁護士とは限らなくなる。